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春生(2)
ー6年後ー
小学入学を迎え、その日も元気に朝「行ってきます!」と言って学校へ行った
午後2時過ぎ・・・
今日は遅いなと思い家の外へ出て春生を待っていると、家の電話が鳴った。
一度春生が帰って来る方を見た後、急いで家の電話へと走った
「もしもし、春生君のお母さんですか?」
聞き覚えのない男性の声に戸惑いながら「はいそうですが・・・」と答えると
思いもよらない言葉が聞こえた
何を言っているのか分からず聞き返した
「××警察署のものです、春生君が事故に遭われました、
○○病院に搬送されましたので至急来ていただけますか?」

頭の中を整理する暇なんてなかった
春生の所へ行かなくちゃ!と言う思いだけが巡った
病院へ向かうタクシーの中で和馬に連絡を入れるのが精いっぱいだった

病院へ着き春生の元へ急ぐ
待っていた警察に「春生は?!」と聞くと、
重苦しい表情で「今手術中です、危険な状態とのことです」と返ってきた

そこへ和馬も駆けつける
同じように「春生は?!いったい何があったんだ?!」と声を荒げる

警察が事情を説明
「無免許運転の職員が携帯をしていて児童に気付かず、春生君を撥ねたそうです、

同乗していた一人はすぐ救急車を呼んだのですが、撥ねた職員は逃走しています」
そう言い終えたと同時に手術室のランプが消えた
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[2010/08/06 08:04 ] | 小説 | コメント(1) | トラックバック(0)
春生
ブログを立ち上げるきっかけとなった自作の小説を本日より週1程度でちょっとづつアップします。
興味のある方は是非読んでください。

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「春生」

その日、港に一隻の帆船が停泊していた
そのきめ細かい造りと高く張り巡らした帆が何とも清らかであった

暑い日差しを避け凪いだ風が和馬と貴子を包みながら消えた
一瞬くるりと巻いた後に残された貴子がゆっくり話す
「来年は…三人でこの海に来たいね」そう言って和馬の手を自分のお腹に当て春のような微笑みを見せた。

日差しはやがて葉を染め、色美しい木々は葉を落とし素顔に返る
長い冬が過ぎ息吹と共に愛しい命が産声を上げた

「春に生まれると書いてハルキ」
我ながら素晴らしい、と自慢げな和馬の確かに素晴らしい提案に貴子は頷いた
「春生、あなたは私達の宝ものよ」

まだ生まれたばかりの小さな命を両腕に抱き、新米パパは幸せになれとただただ祈った。


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[2010/07/25 01:27 ] | 小説 | コメント(0) | トラックバック(0)
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